近年、日本の英語教育界でも注目されている「フォニックス」。
「英語は低年齢のうちに始めた方が良い」とよく聞くので、「フォニックスも、早く始めた方がいいのかな?」とお思いの方も多いですよね。
結論からお伝えすると、フォニックスは
3歳頃から始めるのがおすすめ!
ただし、これは、英語圏の子ども達がフォニックスを始める場合の適正年齢です。
日本人の子どもがフォニックスを始める場合も、3歳からがいいのかというと、そうではないケースもあります。
お子さんがフォニックスを始める時期なのかどうか、ぜひ本文を最後まで読み、チェックしてみてください!
「フォニックス」とは?
「音とつづりの関係」をルール化したものです。
…と聞いても、よくわからないですよね。
わかりやすく解説されている動画があるので、ご紹介します!
「フォニックスは日本の漢字のようなもの」というたとえが、すごくわかりやすいですよね。
漢字 | フォニックス | |
---|---|---|
読み | 同じ文字でも、単語によって読みが変わる | |
具体例 | 間 ・時間(じかん) ・合間(あいま) ・人間(にんげん) | A ・air(e) ・ball(ɔː) ・apple(æ) |
漢字の読みの使い分けは、基本的に覚えるしかありません。
フォニックスも音とつづりの関係を、暗記していくことが必要です。
フォニックスを学ぶメリット3つ
- 発音が良くなる
- 知らない単語でも発音を予測できるようになる
- リスニング力が伸びる
詳細はこちらの記事で紹介しています。ぜひ、チェックしてみてください。
フォニックスを始める前に理解すべきこと3つ
「早く始めればいい」わけではない
フォニックスは、発音と文字を結ぶものです。
フォニックスを身に付けることで、英語の読み書き力がアップします。
ただし、英語を読み書きできるようになるには、それまでに
- 聞く
- まねる
- 話す
段階を、十分に踏んでいなければなりません。
インプットが十分でない時期からフォニックスを始めると、難しすぎるしおもしろくないしで、英語がイヤになってしまう可能性があるんですよね。
おうち英語をスタートしたばかりの頃は、フォニックスは気にしなくても大丈夫です。
まずは
- CD
- DVD
- YouTube
などを使い英語の音とリズムに慣れてから、フォニックスを始めましょう。
詳しい学習の進め方は、こちらの記事にまとめています。参考にしてみてください。
「全ての単語を読めるようになる」わけではない
フォニックスのルールに当てはまるのは、英単語全体の7割ほどです。
フォニックスのルールに当てはまらない単語は「Sight word(サイトワード)」と呼ばれ、パッと見ただけで読めるよう、暗記していきます。
英語圏の子ども達も、年に100個くらいずつ、コツコツ覚えていくよ!
「フォニックスは万能!」「フォニックスを覚えれば、どんな単語に出会っても安心!」というイメージがありますが、例外の単語も多いということは、頭に入れておきましょう。
「流ちょうに英語を話せるようになる」わけではない
フォニックスを学ぶと
- 発音が良くなる
- リスニング力が上がる
というメリットがあります。
どちらも、英語でコミュニケーションをとるうえで必須の、大事な力です。
しかし、「自分の言いたいことを言語化する」「自分の気持ちを英語で表現する」には、語彙力や表現力など、他の力も必要になります。
フォニックスを学ぶだけで、英語がペラペラになる、外国人の方と円滑に話せるようになるわけではないので、気を付けましょう。
【チェックポイント】あなたのお子さんのフォニックス適正時期は?
インプットは十分?
フォニックスは、英語の発音とつづりのルールを学び、英語を正しく読めるようになるための学習法です。
言語習得のステップで考えると、「読む」「書く」の段階になります。
まずはたくさんの英語を聞いて慣れ親しんでからでないと、読み書きの力が身に付きにくくなってしまうんですよね。
日本の子ども達が、ひらがなを読めるようになるまでの過程を考えてみましょう。
※ベネッセ次世代育成研究所「第1回幼児期から小学校1年生の家庭教育調査報告書(2013年3月)」のデータをもとに作成
赤ちゃんの頃から日本語をたくさん聞いて、周りの人が話している日本語のまねをし、子ども自身も日本語を話すようになってから、ひらがなを読み書きできるようになっていきます。
英語を読めるようになるには、日本の子ども達がひらがなを身に付けるときのように
- 聞く
- まねる
- 話す
段階を、十分に経験しておくことが大事です。
フォニックスを始める前に、十分に英語をインプットする時間を作っていきましょう。
アルファベットを知ってる?
日本人の子どもが、ひらがな46文字の基本の音や形を覚えずに、日本語を読み書きするのって難しいですよね。
英語も同様に、アルファベットの基本の音や形を覚えておくことで、フォニックスがスムーズに身に付きやすくなります。
英語をインプットする過程の中で、
- 動画
- 単語カード
- 英語絵本の読み聞かせ
などを使い、アルファベットの存在を知り、基本の音や形を覚える機会を作っていきましょう♪
聞いて意味がわかる単語は、どれくらいある?
フォニックスを学ぶと、これまで音でしか知らなかった単語と文字が結びつき、「読める!」「わかる!」と大きな感動につながります。
たとえば、「Manzena」という言葉をご存知でしょうか?
発音は「マンツァーナ」です。
実は、スペイン語で、「りんご」という意味。
でも、「Manzena」という言葉を知らない状態で「りんごだよ!」と言われても、「へー」「そうなんだ」くらいの気持ちにしかならないですよね。
知っている言葉の音と文字がつながるからこそ、感動が大きくなる!
難しい単語でなく
- Dog
- Hello
- Apple
など、子どもがなじみやすい単語からでOKです。
音を聞いて意味がわかる言葉を増やしてから、フォニックスを始めましょう。
フォニックスを学ぶ際の注意点2つ
正しい発音を聞きながら進める
日本の英語教材を見てみると、英語の読み方をカタカナで表記しているものが多いですよね。
でも、英語には、日本語にはない音が多くあります。
カタカナでは、正しい発音を表現しきれないよ💦
ちょっとした発音の違いでも、違う意味で伝わってしまう可能性もあるんですよね。
発音が似ているけれど、大きく意味が変わる単語例 | |
---|---|
Right(右) | Light(ライト) |
Read(読む) | Lead(鉛) |
Wrong(間違っている) | Long(長さ) |
Rice(お米) | Lice(しらみ) |
Pray(祈る) | Play(遊ぶ) |
フォニックスを学ぶときは、細かな違いを意識し、本物の発音をインプットしていくことが大事です。
フォニックスを学ぶ教材には
- アプリ
- YouTube
- 英会話教室
などがあります。
その中でも、ネイティブの発音が聞けるものを選んでいきましょう。
おすすめは、こちらの記事で紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください♪
焦らずに進める
フォニックスは、日本の漢字のようなものと考えると、イメージしやすくなります。
たとえば、いちばん読み方が多い漢字は「生」です。
- 生(なま)
- 生きる(いきる)
- 生まれる(うまれる)
など、いろいろな読み方があります。
私たち日本人は、「この送りがなのときはこう」「送りがながないときは、こう読む」と、何年もかけて使い分けを学習していきますよね。
使い分けを短期間で覚えきるのは、難しい…!
フォニックスも同様に、何度も繰り返しながら慣れて、覚えていくしかありません。
ネイティブの子ども達も、数年かけて身に付けていくものです。
短い期間で詰め込むのではなく、何度も繰り返しながら、コツコツ進めていきましょう。
まとめ
「英語学習」と聞くと、小さい頃から始めた方が良い!というイメージがありますよね。
もちろん、低年齢の頃から始めた方が、少ない労力で英語の力が身に付く傾向があると言われます。
ただ、フォニックスは、「早く始めた方がいい!」とは言い切れません。
フォニックスをスムーズに習得するには、学び始める前にたくさん英語を聞き、英語の音やリズムに慣れておくことが大事です。
今回の記事でご紹介した3つのポイントをチェックしながら、始める時期を決めてみてくださいね!